1. m3.comトップ
  2. 海外ジャーナル
  3. 高出血リスク者のPCI後出血/血栓症リスクバランス評価ツールを開発

高出血リスク者のPCI後出血/血栓症リスクバランス評価ツールを開発

2021年2月3日  専門誌ピックアップ

出血リスクが高い患者の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を検討した研究6件(対象計6641例)のデータを用いて、追跡期間1年の予後研究を実施。大出血(BARC出血基準3-5)と血栓性合併症(心筋梗塞およびステント血栓症またはそのいずれか)の有意な予測因子を特定して、高出血リスク患者の最適な手術法および抗血栓療法の決定に役立つ2つのモデルを開発した。 その結果、血栓性合併症リスク8項目、大出血リスク8項目のベースラインの独立予測因子を特定し、そのうち4項目は両リスクに共通していた。2つのリスクモデルの識別能は中等度で、C統計量は血栓性合併症リスクの予測モデル0.69、大出血リスクの予測モデル0.68だった。 ■この記事に対する有識者のコメント 香坂俊 慶応義塾大学講師 循環器内科 塞栓と出血のリスクのバランスをどうやってとっていくかは、言ってみれば循環器内科診療の「永遠の課題」ではないかと思う。 この論文では、ちょうど年間塞栓系イベント発症率と出血系イベント発症率が5%程度で釣り合っている方々を抽出し、双方のイベントのリスクモデルを作成して検証している。その結果、ある程度の有効性...