重症COVID-19、早期抗凝固療法で死亡率改善せず
2021年2月8日
Annals of Internal Medicine
米国67施設に入院した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者3239例(年齢中央値61歳、男性64.5%)を対象に、静脈血栓塞栓症(VTE)・大出血の発生率および早期抗凝固療法による生存率改善効果を検討した。 その結果、204例(6.3%)がVTEを発症し、90例(2.8%)に大出血イベントが発生した。VTEの独立の予測因子は、男性、ICU入室時のDダイマー高値だった。target trial emulation(理想とする無作為化試験の模倣)の解析対象とした2809例のうち384例(11.9%)が早期に抗凝固療法を受けており、追跡期間(中央値27日)中の死亡リスクは、早期抗凝固療法を受けなかった患者とほぼ同じだった(ハザード比1.12、95%CI 0.92-1.35)。 ■この記事に対する有識者のコメント 香坂俊 慶応義塾大学講師 循環器内科 このSTOP-COVIDデータベースの解析結果では、COVID-19患者に対する入院中の抗凝固療法(ヘパリン治療)を行った症例でも、明確に予後改善との関連はみられなかった。これは、2020年にMt Sinai大学(ニューヨーク、...
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