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素行症を伴う統合失調症の暴力にはクロザピンが最適

2021年2月13日  American Journal of Psychiatry

暴力的な統合失調症患者99例を対象に、クロザピン、オランザピンおよびハロペリドールの有効性を直接比較する12週間の二重盲検試験を実施。被験者の15歳以前の素行症の有無を調べ、暴力行為の頻度と重症度を改変顕性攻撃性尺度(Modified Overt Aggression Scale)で得点化した。 その結果、試験期間中、素行症のある患者の方がない患者よりも暴力行為の頻度と重症度が高かった。暴力の抑制効果はクロザピンがハロペリドールとオランザピンよりも良好で、オランザピンがハロペリドールよりも良好だった。クロザピンの抗攻撃作用はハロペリドールより大きく、その作用は素行症のある場合の方がない場合よりも顕著だった。クロザピンで暴力性が低下する確率は、素行症のある場合はハロペリドールの4倍、素行症がない場合は3倍だった。オランザピンのハロペリドールに対する優位性も、素行症のある場合の方が顕著だった。 ■この記事に対する有識者のコメント 小宮靖弘 国立紫香楽病院 整形外科・リウマチ科医長 「子供の死を祈る親たち(新潮文庫)」という衝撃的なネーミングの本が出版されている。自室に籠もり、自殺すると脅...