前庭機能障害に人工前庭器は有効か

両側前庭機能障害患者8例（耳毒性7例、特発性1例、病歴2-23年）を対象に、人工前庭器による症状改善効果を検討。参加者に前庭神経の3つの半規管枝を電気的に刺激する人工前庭器の片側埋め込み術を施行し、臨床転帰を評価した。Bruininks-Oseretsky運動熟練度検査の平衡機能検査スコア（0-36点、高いほど平衡機能が良好）、修正ロンベルグ試験の失敗までの時間（0-30秒）、動的歩行指数（Dynamic Gait Index：DGI）スコア（0-24点、高いほど歩行能力が良好）、Timed Up and Go（TUG）テストの所要時間、歩行速度などを評価項目とした。 埋め込み前と6カ月時を比較すると、Bruininks-Oseretsky運動熟練度検査スコア中央値は17.5と21.0（参加者内の差の中央値5.5、95％CI 0-10.0）、修正ロンベルグ試験の時間中央値は3.6秒と8.3秒（差5.1、95％CI 1.5-27.6）、DGIスコア中央値は12.5と22.5（同10.5、1.5-12.0）、TUGテストの時間の中央値は11.0秒と8.7秒（同2.3、－1.7-5.0）、...