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手術非施行の上腕骨近位端骨折、1割に偽関節発生

2021年3月6日  The Journal of Bone & Joint Surgery

手術以外の治療を受けた上腕骨近位端骨折(PHF)患者2230例(年齢中央値72歳、女性75.5%)を対象に、標準的臨床評価および画像検査で評価した偽関節の発生率を検討した。 その結果、全体の偽関節発生率は10.4%だった。上腕骨頸体角(HSA)が140度超の患者(395例)の発生率はわずか0.8%で、多変量ロジスティック回帰解析で評価したパラメータ19個に偽関節との相関が見られなかった。HSAが140度以下の患者(1835例)の発生率は12.4%で、HSA低値、骨頭転位率(HST)高値および喫煙が偽関節を予測する独立の因子だった。偽関節発生率は、HSA 90度超+HST 50%未満の患者では1%と極めて低く、HAS 90度以下+HST 50%以上の患者(全体の8.3%)では83.7%と大幅に高く、両群ともに特に喫煙者で高かった。 ■この記事に対する有識者のコメント 小宮靖弘 国立紫香楽病院 整形外科・リウマチ科医長 上腕骨近位端骨折は骨粗鬆症を基盤とし、骨折型に応じて保存的治療・手術的治療が選択されるが、骨癒合が得られなかった場合の機能障害は著しい。しかし、大腿骨近位端骨折や脊椎圧迫...