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気分障害、精神病性障害の遺伝的リスクに性差

2021年4月16日  専門誌ピックアップ

統合失調症、大うつ病性障害、双極性障害の発症と症状に見られる遺伝的リスクの性差を検討すべく、大規模なゲノムワイド遺伝子型・性別(GxS)の相互作用研究を実施。疾患ゲノミクスコンソーシアム(PGC)とiPSYCHの8万5735例(統合失調症3万3403例、双極性障害1万9924例、うつ病3万2408例)と対照10万9946例を解析した。 その結果、対象疾患に共通して、神経興奮性に関与するナトリウム/カリウム輸送ATPアーゼ酵素に作用するNKAIN2を含む遺伝子座にゲノムワイドで有意なSNP(一塩基多型)と性別の相互作用が検出された(rs117780815、P=3.2×10−8)。別の3つの遺伝子座から、疾患横断的なGxS相互作用の根拠が示された(rs7302529、P=1.6×10−7、rs73033497、P=8.8×10−7、rs7914279、P=6.4×10−7)。転写阻害物質SLTMを用いた遺伝子解析から、疾患横断的なGxS相互作用が明らかになった(P=8.97×10−7)。統合失調症では、血管内皮細胞に関与するMOCOS遺伝子座(rs11665282、P=1.5×10−7)...