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「今夏の東京五輪開催は再考すべき」BMJ論説

2021年4月21日  British Medical Journal

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的流行が続く中、BMJ誌が、今夏の東京五輪・パラリンピック開催の再考を促す論説を4月14日に掲載した。この論説は、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのKazuki Shimizu氏らによるもので、日本政府と国際オリンピック委員会(IOC)が決定した大会開催のリスクと便益には透明性が欠けていると指摘。国際的な大規模集客イベントを安心、安全な方法で開催できる状況にはなく、東京五輪の大会運営方法には重大な疑問が残ると警鐘を鳴らした。 論説では、アジア太平洋諸国の中でも、日本は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の封じ込めにいまだに成功していないと指摘。その上で、日本国内の不十分なPCR検査体制やワクチン普及の遅れは、政治的リーダーシップの欠如によるものだと断じている。ワクチン接種については、一般の人は元より医療従事者や高リスク者でさえ大会開催までに接種を終えられる状況にはないと述べ、IOCが提唱する五輪選手への優先的ワクチン接種については、ワクチン外交を助長し、国際的な連帯感を損なうものだと批判している。 このほか、大会を安...