心不全の転帰予測、NYHA分類 vs. KCCQ-OS

左室駆出率が低下した慢性心不全（HFrEF）の外来患者2872例を対象に、重症度の判定に用いられるニューヨーク心臓協会（NYHA）心機能分類（I-IV度）と患者報告転帰の指標として用いられるカンザスシティ心筋症質問票総合要約スコア（KCCQ-OS、スコア範囲0-100点）の臨床転帰との関連性をコホート研究で比較。主要評価項目は、全死因死亡および心不全による入院とした。 12カ月時、患者の34.9％にNYHA分類の変化（20.9％が改善、14.0％が悪化）、75.1％にKCCQ-OSの5点以上の変化が見られた（48.3％が改善、26.8％が悪化）。NYHA分類は変化なし（65.1％）が最も多く、KCCQ-OSは10点以上の改善1047例（36.5％）が最も多かった。 調整後の解析で、NYHA分類の改善にその後の臨床転帰との関連は認められなかった。KCCQ-OSの5点以上の改善には、死亡（ハザード比0.59、95％CI 0.44-0.80、P＜0.001）、死亡または心不全による入院（同0.73、0.59-0.89、P＝0.002）の発生率低下との独立の関連が認められた。 この記事への読...