帝王切開後の出血予防にトラネキサム酸が有効
2021年5月7日
New England Journal of Medicine
帝王切開で出産する女性を対象に、トラネキサム酸(TXA)による分娩後出血抑制効果を多施設共同二重盲検無作為化比較試験で検討。予防的な子宮収縮薬静脈内投与に加えてトラネキサム酸またはプラセボを投与するグループに無作為に割り付けた。主要評価項目は分娩後出血(推定出血量が1000mLを超える出血または分娩後2日以内に赤血球輸血を要した出血と定義)とした。重量測定による推定出血量、医療従事者評価による臨床的に重大な分娩後出血、子宮収縮薬の追加投与、分娩後の輸血などを副次評価項目とした。 その結果、無作為化した女性4551例中4431例で帝王切開を施行し、4153例(93.7%)で主要評価項目に関するデータが入手できた。主要評価項目に規定した事象は、トラネキサム酸群2086例中556例(26.7%)、プラセボ群2067例中653例(31.6%)に認められた(調整後リスク比0.84、95%CI 0.75-0.94、P=0.003)。副次評価項目に群間差は認められなかった。分娩3カ月後の血栓塞栓症発症率は、トラネキサム酸群0.4%(2049例中8例)、プラセボ群0.1%(2056例中2例)だった(...
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