呼吸器感染症に対する抗菌薬の遅延処方は安全かつ有効
2021年5月9日
British Medical Journal
市中発症の呼吸器感染症患者に用いる抗菌薬の遅延処方が及ぼす影響を系統的レビューと個別患者データのメタ解析で検討。無作為化対照試験9件と観察コホート研究4件の計5万5682例の患者データを用いて抗菌薬の遅延処方と処方なし、遅延処方と即時処方を比較した。主要評価項目は、初診の2-4日後に7項目の尺度(正常から最悪まで)で測定した症状の平均重症度とした。 その結果、症状の重症度は、遅延処方と即時処方で差がなく(調整平均差-0.003、95%CI -0.12-0.11)、遅延処方と処方なしでも差がなかった(同0.02、-0.11-0.15)。遅延処方の症状持続期間は、即時処方よりもわずかに長かったが(11.4日 v 10.9日)、処方なしと同程度だった。遅延処方では、処方なしよりも再診率が有意に低かった(オッズ比0.72、95%CI 0.60-0.87)。5歳未満の小児では、遅延処方の方が即時処方よりも症状の重症度がわずかに高かったが(調整平均差0.10、95%CI 0.03-0.18)、それ以上の年齢層では重症度の上昇は認められなかった。 この記事への読者の皆様(医師)からのコメントを募集...
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