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造影剤と腎障害、関連の根拠示されず

2021年5月11日  JAMA Internal Medicine

カナダのアルバータ州で、2013-18年に救急科を受診しDダイマー検査を受け、CT肺血管造影のため造影剤を投与した15万6028例を対象に、造影剤静脈投与と長期的な腎障害の関連を検討。主要評価項目は6カ月後の推算糸球体ろ過率(eGFR)とし、ファジーな回帰不連続デザインを用いて因果関係を評価した。 その結果、造影剤曝露に関連を示すeGFR平均変化量は-0.4mL/分/1.73m2で、造影剤とeGFRの関連性を示す根拠は認められなかった。腎代替療法の必要性(リスク差0.07%、95%CI -0.47-0.61%)、死亡率(同0.3%、-2.9-3.2%)および急性腎損傷(同4.3%、-2.7-12.9%)との関連性を示す根拠も認められなかった。 ■この記事に対する読者のコメント 中村将登 浜松南病院腎臓内科 これが確かであれば、救急などでの造影CTのハードルがかなり下がるかと思います。ただこの試験のさらなる追究は必要だと思います。 安藤智 川崎幸病院循環器内科 カナダの後ろ向きコホート研究でD-dimerで異常を呈した患者に肺動脈造影CTを実施し、半年間のフォローアップで腎機能を調べた...