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ボルバキア感染蚊の拡散でデング熱が大幅に減少

2021年6月17日  New England Journal of Medicine

インドネシア・ジョグジャカルタで、Wolbachia pipientisのwMel株に感染させたネッタイシマカを地域に放つことでデング熱の感染が抑制されるかをクラスター無作為化試験で検討。24の地理的クラスターをwMel感染ネッタイシマカ拡散群(介入)と非拡散群(対照)に均等に割り付けた。原因不明の急性熱性疾患で地域の診療所を受診した3-45歳の患者を組み入れ、臨床検査でウイルス学的にデング熱(VCD)が確認された患者と検査が陰性だった患者を特定した。主要評価項目は、デング熱ウイルスの血清型と重症度を問わない症候性VCDとした。 参加者8144例中3721例が介入クラスター、4423例が対照クラスターに居住していた。ITT解析では、介入クラスターの2.3%、対照クラスターの9.4%がVCDを発症していた(VCDの総オッズ比0.23、95%CI 0.15-0.35、P=0.004)。介入の防御効率は77.1%(95%CI 65.3-84.9)で、4種類のデング熱ウイルス血清型に対する効果が同等だった。VCDによる入院率は介入クラスター(0.4%)の方が対照クラスター(3.0%)より低か...