親の教育水準が高いと子どもの5歳未満死亡率が低い

母親と父親の教育水準と子どもの5歳未満死亡率との関連を系統的レビューとメタ解析で検討。新生児死亡、乳児死亡、5歳未満死亡に対する親の教育の影響を検討した2021年1月7日までの全研究から親の教育と子どもの死亡に関する個別データが含まれる研究を抽出し、人口保健調査（DHS）から得られた出生311万2474例の主要なミクロデータと統合して92カ国300件の研究を解析した。 母親と父親の教育の向上はいずれも、5歳未満死亡率の低下と用量反応関係を示したが、母親の教育の方が強い予測因子だった。教育を受けていない親から生まれた子どもと比較すると、中等教育（12年間）を修了した母親から生まれた子どもは5歳未満死亡率が31.0％（95% CI 29.0-32.6）低く、同条件の父親では17.3％（同15.0-18.8）低かった。5歳未満死亡率は、母親の教育年数1年増増加当たり平均3.04％（同2.82-3.23）低下し、父親では平均1.57％（同1.35-1.72）低下した。親の教育水準が高いほど子どもの死亡率が低いという関連は、検討した全年齢の母親と父親ともに有意で、生後1カ月経過後に最大だった。...