COVID-19にドキシサイクリンは無益
2021年8月5日 専門誌ピックアップ
英国のプライマリケア施設の新型コロナウイルス感染症（COVID-19）高齢患者に用いる各種治療の有効性を検討する全国規模の非盲検多群適応型プラットフォーム無作為化比較試験（PRINCIPLE試験）から、ドキシサイクリンに関する解析結果が報告された。65歳以上または併存疾患がある50歳以上のCOVID-19疑い患者および新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）PCR検査陽性患者2689例を組み入れ、通常治療単独と通常治療＋ドキシサイクリン併用を比較した。主要評価項目は、自己報告による最初の回復までの期間およびCOVID-19による入院または死亡の複合とし、いずれも無作為化から28日間で評価し、intention-to-treat集団で解析した。 ドキシサイクリンへの無作為化は無益性のために早期に中止された。自己報告による最初の回復までの期間中央値は、ドキシサイクリン併用群9.6日、通常治療群10.1日で、群間差の根拠はほとんどなく［ハザード比1.04、95％ベイズ信用区間（BCI） 0.93-1.17］、推定される便益は0.5日で、臨床的に意義がある便益（1.5日以上と定義）が得られる...