肝移植後の拒絶反応にドナーのHLAの多様性が関連

2004-18年に肝移植を受けた成人患者1154例と小児患者113例を対象に、ヒト白血球型抗原（HLA）の進化的分岐（HED）が肝移植拒絶反応に及ぼす影響を後ろ向きコホート研究で検討。移植から1、2、5、10年後と肝機能障害出現時に肝生検を実施した。HEDは、クラスI（HLA-A、HLA-B）とクラスII（HLA-DRB1、HLA-DQB1）のアレルで計算した。小児では生検時にドナー特異的抗HLA抗体（DSA）を測定した。 成人では、ドナーのクラスI HEDに急性拒絶反応（ハザード比1.09、95％CI 1.03-1.16）、慢性拒絶反応（同1.20、1.10-1.31）、50％以上の胆管減少（同1.33、1.09-1.62）との関連が見られた。小児でも、DSAの有無とは関係なく、ドナーのクラスI HEDに急性拒絶反応との関連が見られた（同1.16、1.03-1.30）。ドナーのクラスII HED、レシピエントのクラスIおよびクラス II HEDの肝病変発生率への影響は成人でも小児でも認められなかった。...