脳海綿状血管腫に体細胞PIK3CA変異が関与
2021年9月18日
New England Journal of Medicine
脳海綿状血管腫(CCM)の80%を占める孤発性CCMの遺伝的原因が、マウスモデルおよび患者の組織検体を用いた検討から明らかになった。 プロスタグランジンD2合成酵素(PGDS)プロモーターを用いて髄膜腫マウスモデルを作製しようとしたところ、脳海綿状血管腫(CCM)が発生した。プロスタグランジンD2合成酵素(PGDS)陽性細胞でPik3caH1047RまたはAKT1E17K(髄膜腫に多く見られる遺伝的ドライバー)が発現しているマウスでは、髄膜腫ではなく典型的なCCMが発生することが判明した(それぞれマウスの22%と11%に発生)。このため、孤発性CCM患者88例から外科的に切除した組織検体のDNAシーケンシングを実施した。 その結果、患者の病変組織の39%からPik3ca、1%からAKT1の体細胞活性化変異が検出された。CCM遺伝子に変異があったのは、わずか10%だった。マウスで活性化変異Pik3caH1047RとAKT1E17Kにより誘発した病変を分析したところ、PGDSを発現している周皮細胞が起源細胞の可能性が高いことが明らかになった。...
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