福島での被ばく量、「想定より高かった」、国立がん研究センター
スペシャル企画
2011年3月21日 (月)
橋本佳子(m3.com編集長)
国立がん研究センターが、3月17日に派遣した福島県への「スクリーニング支援団」が3月20日に帰京、担当医師らが持参したモニター線量計による派遣期間の被ばく量は、60μSv(マイクロシーベルト)だったことを明らかにした。同日程で宮城県仙台市に派遣した「医療支援団」の場合は、26μSv。 現在、他の地域より高い放射線量が観測されているのが福島市。後述のように、同市および近郊に約2日間滞在しており、このレベルが1年間続いたとすると、その線量は約10mSvと推計される。例えば、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準では、放射線作業者の線量限度は5年間で計100mSv、かつ1年間では50mSvが上限値として設定されている(『医療者の被ばく管理に問題あり、日本学術会議が警鐘』を参照)。 また、3月20日の朝における、福島県庁前の駐車場でのGMサーベイメータによる測定では、地面から1cmの場所で2万4300cpm、空間線量(地上から高さ1mで測定)は5000cpmだった。サーベイメータの場合、検出できる核種が分からないことなどから、シーベルト換算は難しいという。 国立がん研究センター中央病院の玄関前...
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